ホラー短編小説「その夢への」

(C)ぱくたそ

私はいつも、不思議な夢をみる。

真っ暗闇の中、「誰か」と向き合って立っている夢だ。その「誰か」は何かを言いたげな瞳をしている。そして、どこか――どこがと明確には言いがたいのだが――私にそっくりだった。
いつその夢を見始めたのかは知らない。でも気がついたら、何度も何度も、同じ夢を見ていた。
夢の中の「誰か」は私と同じように、成長する。幼い頃は幼い姿だったし、最近はずいぶんと背が伸びた。
私はいつも思う。
「どうして私の夢に出てくるの?」と、問うてみたいと。
この夢に何か、意味はあるのだろうか。
あるとしたら、どんな意味なのだろう。
どうしても気になって、私はある日、決意した。
「あのさ」
私が言葉を発すれば、「誰か」は驚いて目をまるくする。
私はその先にある疑問を口にしようか迷った。なぜだろう、それを言ってしまったらこの夢に終わりが訪れる気がして。
けれど、そうして逡巡しているうちに。
「誰か」は、私に向かって問う。
「どうして私の夢に出てくるの?」